バスタブ・リンボーって知ってますか?
知ってるわけないですよね。だって私が言っているだけですから。
ちなみにグーグルで “バスタブリンボー” で検索しても何もヒットしません。
ちょっとは何か引っかかるかと思っていたのですが、本当にこの世に存在しない言葉のようです。
バスタブリンボーの説明の前にまずは50kgダイエットによってもたらされた最も大きな変化の紹介から。
重力に抗えるようになる
ダイエットによって最も効果が実感できる変化です。
単純に身体が軽い。
これはもう物理的にも当たり前なのですが、なにしろ軽い。
そして動きが軽い。
身体を動かすことに「億劫さ」をあまり感じなくなるのに加えて、消耗も少なくなるので以前より長く動ける。
そしてこの動きの軽さに影響を与えているもう1つの要素は、単純に「重量」という部分だけではなく、「体積」というものが大きかったりするのです。
身体の内側、外側に巨大な脂肪を蓄えているおでぶさんは、そのせいで動きを大幅に制限されてしまいます。
クッションで例えてみます。
綿がパンパンに詰まったクッションと中身があまり入っていない薄いクッション。
これを2つに折り曲げようとすると、薄いクッションは簡単にぺったんこに2つ折りにできますが、パンパンに膨れたクッションは、2つ折りにするのに一苦労です。
たとえ無理やり半分に折ったとしても、紐で縛ってでもおかないとすぐにもとに戻ってしまいそうです。
これと同じで、太っているといろいろなところの自由が効きません。
特に邪魔になるのが大きなお腹。
これが障害となって特に上下の動きに大きな制限が出ます。
腰を前に曲げる前屈の姿勢は一番厄介で、これをするとお腹に強い圧力がかかってしまい苦しくなります。当然内部にも圧力が加わりますから、呼吸もスムーズにできなくなります。
以前、相撲部屋の女将さんがテレビで「お相撲さんから食べ物を隠すなら、上の棚ではなくて下の棚」とおっしゃっておりました。
つまり太っていると屈むのが辛いので、できるだけその動きはしたくないのです。
常人よりも身体が柔らかく、鍛えているお相撲さんですらそれです。
鍛えてもいないそのへんのおでぶさんはそれどころではありません。
靴下を1足履いただけで息が荒くなることすらあるのです。
それが50kgも体重を減らすとびっくりするくらいに楽になります。
楽になりますっていうか、普通の人はそれが当たり前なので「何を今更言っているのだこいつは」状態なのですが、長く太っているとそれがとても新鮮です。
庭仕事とかでしゃがんで作業をしていても鼻息が「ふんふん」言わなくなりました。
立ったり座ったりに何の苦痛もなくなりました。
そこで例のやつです。
バスタブ・リンボーが楽になる
バスタブ・リンボーってみなさんやりませんか?
言葉は聞いたことなくても、その動作をやったことのある人は少なくないと思うのです。
お風呂に入ったとき、自分の後でお風呂に入る人がいない場合、出るときにそのままお湯を抜いてバスタブを洗って出るというケースがあると思うのですが、この、お湯を抜く作業をお風呂に浸かりながらやることってありませんか?
さあ、お風呂から出ようというときに、出る前にお風呂の栓を抜く。
当然水面が徐々に下がってきて、お湯に使った身体がだんだん空気にさらされていくわけですが、それに抗ってできるだけ水面よりも下に身体を沈めるという、なんというか意味のない自己満足の動作です。
これを「バスタブ・リンボー」と勝手に言っています。
バスタブ・リンボーの最終形態は必然的に、もうバスタブの底に仰向けに寝転がった状態になるわけですが、お風呂から出るためにここから立ち上がらなければなりません。
ところが、バスタブというのは摩擦係数が低い。つるつるしています。
加えて今までお湯によって浮力がかかっていた状態から、空気中にさらされて直接重力の影響下に放り出されます。結果、とても起き上がりにくくなるのですが、太っている場合はさらに大変です。
絶対的な身体の重さに加えて、上の理由で必要以上に身体が重く感じるのです。
無理して「えいやっ!」と起き上がると、うっかり脇腹を痛めたりなんかもしてしまいます。
ところが、50kg体重が減った後、50kgまで行かないにしてもある程度体重が減った後のバスタブ・リンボー後の起き上がりがなんと楽なことでしょう。
もう、すっと起き上がれるようになりました。
もちろんトレーニングで筋力がついていることも理由にはあるでしょうが、やはり体重が減ったことで扱う重力そのものが軽くなったことが大きいのでしょう。
体にかかる重力の負担をバスタブ・リンボーで分かりやすく説明しようとして、結果わかりにくくなったような気もしますが、とにかく、日常生活で体の軽さを感じることは多々あります。
この体で若い頃の生活をしてみたかったなとつくづく思いますが、後の祭り。
せいぜいこれからの生活に活かしましょう。