120kgから70kgになったら
だるんだるんである。
せっかく痩せたのにだるんだるんである。
皮の話である。皮膚の話である。
極端に太っていた人が短期間で痩せた場合、内側の贅肉だけが消えていき外側の皮膚がそのまま残ってしまうことで、皮が余ってしまった結果、大きめの服を着た子供のようにダブンダブンのシワッシワの体になってしまうのである。
なってしまったのである。
特にひどいのは、太っていたときに脂肪が多くついていた部分、下腹部、二の腕から脇にかけての部分、太ももの内側なのである。
さらに、これもまた太っていた時代に体のあちこちにできていた脂肪の裂け目。あの妊娠線のような皮膚の割れ目。
あれが緩んだ皮膚と重なって、ビジュアル的にはまあ気持ち悪いこと。特に二の腕の下が酷いのである。
太ももの内側はダルンダルンのザラッザラのボコッボコだし、下腹部に至っては、余った皮膚の中に、最後の抵抗を続けるレジスタンスのような脂肪の塊が籠城して、コブのように丸くなっているのである。
不幸中の幸いなのは、どれも裸にならなければ人目につかないということである。服を着ている限りは皮膚の余りは目立たないのである。
コロナ禍のおり、温泉やプールなんかに出かけるのも控えているし、セクシー案件もさっぱりなので恥ずかしい思いをするまでには至っていないのである。
でも、たまに疲れてる?体調悪い?と言われることがあるのである。
どうやら、顔の皮までたるんできているらしいのである。
それはそうだ。顔も脂肪でパンパンだったのだから。
頬のあたりの皮膚が重力に逆らえなくなってしまい、ほうれい線が目立っているようなのである。
このように、急なダイエットの副作用として、皮あまりはとても深刻なことなのである。
そろそろ、語尾になのであるを付けるのがしんどくなってきたのである。
普通にしゃべるのである。
おへその形が変わってしまった
私はへその形がとてもキレイでした。
デベソでもなく、美しく垂直に割れた凹みがお腹の中央に備わっておりました。
そのうえ、とても太っていたのでお腹もぽっこりと太鼓腹。
内側からこれでもかと内圧をかけられて外へピンと張ったお腹の真ん中に深淵を思わせる深い深いへそ。それは神秘的なものでした。
ところが、痩せたら汚くなった。
へそが「へ」の字になった。
面白いもので、へそのてっぺんの部分は何やら柱のように固定されており、その外側が余った皮膚とともにどんどん下がってきます。
そして遂にへそが三角形に。
その周りはシワッシワ。
ちょっとお見せするのは恥ずかしいので、またCGに頼ります。私のへその変化を3DCGにしてみました。
このような美しいへそがダイエットの結果、
このような無残なへそに。
なんか、お尻に見えますが、違います。お腹です。へそです。
これはCGですが、実物もほとんどこれです。割と忠実に再現してみました。
急激なダイエットにはお馴染みの副作用
ダイエットを頑張った結果、2年半でおよそ50kgの減量に至りました。
その副作用が上のような状態です。
もちろん、先人の例を見た事があるので(例えば、小錦さんとか、安田大サーカスのヒロさんとか)そういうこともあるのだろうな、と、わかってはいたのですが、いざ自分の身に起きてみるとちょっとショックです。
ただ、これは究極の2択のようなもので、痩せるのをとるか?皮膚が余らないのをとるか?という問題です。
言い換えれば健康をとるか美容をとるか。
ダイエットの目的として、美容と健康、その両方があるとは思うのですが、私の場合今回の目的は、ほぼ9割「健康」目的でした。
だから、しょうがありません。
ダルンダルンの皮膚と引き換えに余りある健康を手にしたのですから。
それに、美容面を全部諦めたということでもなく、もちろん、裸になれば余った皮膚がみっともないのですが、先に言ったように服を着ていればわからないし、何より、ブクブクに太った体よりはずっとマシだということです。
それでも何とかならないのか?
これは治るのか?ずっとこのままなのか?
症状がひどい人で、なおかつお金に余裕がある人などは、美容形成で皮膚を切ってしまう人もいると聞いたことがあります。
私はお金も度胸もないのでそれは選択肢にありません。
あとは、時間をかけて皮膚が縮んでいくのを待つしかないのですが、でもきっと、時間がかかってももとに戻るだろうと信じている部分があります。
昔見た祖母の奇跡
それは、私が以前経験したある出来事によるものです。
以前、祖母の介護を経験しました。自宅介護です。
晩年の祖母はほぼ寝たきりになってしまったため、ベッドの上で体を拭いたりすることもありました。
当然、祖母の裸を直接目にすることになります。
そこで、とある人体の不思議と出会ったのです。
「私が子供の頃みたのと違う。何だこれは」
お笑いマンガ道場
みなさん、富永一朗さんという漫画家をご存知でしょうか。
お笑いマンガ道場というバラエティ番組に出演されておりました。
中京テレビで制作されていた、漫画を使った大喜利のような番組で、若くして亡くなった川島なお美さんや、車だん吉さんといったタレントの他に、鈴木義司さんと富永一朗さんというプロの漫画家が出演しておりました。
その富永一朗さんというのが、時代もあるのでしょう、割とセクシー系の漫画をお題の答えとして頻繁に描かれていました。
そして、その漫画で描かれる女性の大きな特徴の一つが、「異様に長く、そして垂れ下がった乳房」でした。
イメージがしづらい方のために画像をご紹介したいのですが、いささかセクシーな表現も含まれますので、ここもまた、私のつたない3DCGで代用しようと思います。
できるだけセクシーな要素を排除するため、スクウェアな感じで、ある意味マインクラフト風に表してみます。こんな感じです。
おわかりいただけたでしょうか。イメージしていただけたでしょうか。
そんなヤツ実際にはいないよ、と思ってらっしゃる方、大きな間違いです。
いるんです。まさに私が子供の頃の記憶の祖母はこんなんでした。
お年を召したご婦人が、今ほど美容に時間と意識を向けられなかった不幸でしょうか。
我々の世代のおばあさんのイメージはだいたいこれだったような気がします。
だって、TVで富永一朗さんの漫画をみて、家族全員ゲラゲラ笑っていた時代ですもの。
(余談ですが、記事を書くにあたって調べたら、富永一朗さんまだご健在のようですね。95才だそうです。お元気ですね)
※富永一朗さんは2021年5月5日ご逝去されました。謹んでご冥福をお祈りいたします。
ところが、です。
この、子供の頃見た、アドバルーンにぶら下がった垂れ幕のような、中身スッカスカのペランペラン、シワッシワのおばあちゃんの胸は、私が体を拭くときにみると、なんと真っ平らになっていたではありませんか。
もう、まっ平らです。いえ、やせ細ってしまっていたので骨はゴツゴツしていますが、余った皮などどこにもありません。消えてしまいました。
「ああ、皮って縮むんだ」
その時の感想です。
後にダイエットで皮余りに悩むことになるなんて想像もしていなかったですが、そう思ったことを覚えています。
ちなみに、その時一緒にいた身内も同じことを思ったと言っています。私だけの勘違いではないようです。
つまり、余った皮もいつかは縮む。
私が祖母の垂れた胸を最後に見たのはいつだったか。少なくとも中学生以降ではないはずで、かなりの昔です。真っ平らの衝撃までの時間はおそらく30年を超えるでしょう。
でも、30年かけて祖母の胸の皮は縮んだのでした。
皮と向き合う
さすがに30年かけるのは嫌です。
ひょっとしたら死んでるかもしれません。
でも、たぶん、おそらくは、皮は縮んで元に戻るのではなかろうか。そんな期待をしています。
ですから、もうこれ以上は気にしないで、目標までダイエットを続けるのみ。あくまでもダイエット完遂が最終ゴールです。
ただ、これからダイエットをしようとしている方、あまり急激な減量はしない方が良いかもしれません。
ゆっくりゆっくりと時間をかければ皮も脂肪の減少についてきてくれますから。
あとはもう、新陳代謝を活発にするために、運動をして、きちんと栄養管理をして、睡眠をとって、、、、、、、
おや、これ、ダイエットと同じですね。
なるほど。