コレステロケンロール ~ 検証!!ダイエット中の中性脂肪&コレステロールとダイエット

油の海でプカプカ浮かぶぺんぎんさん

ダイエットというと見た目にフォーカスされることが多いですが、今回は体内の検証です。

中性脂肪とコレステロールです。

前途洋々、これからあんなこともこんなこともしたいという若者ならば、ともかく格好良く、スタイルよく、キレイになるためにダイエットをするということが多いでしょう。

しかし、これからの人生を考えるよりもこれまでの人生を振り返る方が時間がかかりそうな年齢に差し掛かると、むしろ見た目なんかより、少しでも健康であるためのダイエットを考えるようになるのです。私もそうです。

危険血圧から脱出

私のダイエット前は、血圧が機械では測定不能なほど高く、仕方なく看護師さんが昔ながらの手動ポンプと聴診器で計った結果、「おそらく」という枕詞付きで「上が220、下が180」などという何故生きていられるのかというどうしようもない数字を叩き出しました。

会社員時代に最後に健康診断をしたときの血圧は上が140程度であったので、その時すでに高血圧の傾向はあったにせよ、気にしないでブクブクと太っている間にとんでもないことになっていました。

その頃はよく耳鳴りがしていたのですが、今思うと危なかったような気がします。

その後降圧剤を2種類服用することとなり、血圧は上が140~160、下が100~120くらいと、それでもまだ全然高いのですが、機械では計れる程度には下がってきました。

さらに、2018年に今回のダイエットを初めて以後どんどん血圧は下がり、今では上が120前後、下も80前後に落ち着いています。もちろん降圧剤は服用していますが、それでも当初朝2錠、夜1錠と計3錠飲んでいた薬は今では朝の1錠だけです。

痩せている人でも高血圧の方はいらっしゃいますので、肥満だけがその原因とは言い切れませんが、肥満が高血圧を引き起こす1つの原因にはなっているということがわかる経験でした。

中性脂肪とコレステロール

もう一つ、血圧と並んで危ない状態だったのが中性脂肪とコレステロール。いわゆる「血液中の油」です。

以前は中性脂肪、LDL-コレステロール(悪玉コレステロール)ともに基準値の倍近い数値を出すことも当たり前のようにあり、一方で善玉と言われるHDL-コレステロールは基準値の下限ギリギリという、まさに血液ドロドロ状態であったのです。

あんかけブラッドです。あんかけつえきです。

これもダイエットの進行とともに解消されていきました。それぞれのダイエット直前とゴール直前の数値です。

中性脂肪
(40~149)
LDL
(70~139)
HDL
(40~96)
LH比
(~1.5)
2018年4月324212444.8
2021年6月71127901.4

ダイエット前は中性脂肪、LDLともにとんでもない数値です。HDLも下限ギリギリ。放っておけばいずれ脳梗塞や心筋梗塞、動脈解離などでお陀仏だったでしょう。

今現在、思わぬことに心臓弁膜症を患っており手術をする予定になっていますが、この状態のままであれば、その際のリスクも跳ね上がっていたのではないでしょうか。

心臓弁膜症が見つかったのは偶然で、ダイエットとは関係ありませんでしたが、結果的に本当に良かったと思います。

これもグラフで視覚化してみると、また色々見えてきます。

ダイエット中の中性脂肪、コレステロールの推移

網掛けの部分は中性脂肪の基準値、同様に黄色の帯がLDL、赤い帯がHDLの基準値の範囲です。

全期間を見てみると、中性脂肪、LDLが減少していき、代わってHDLが上昇しているのがわかります。

緑の線の「LH比」とはHDLとLDLの比率で、LDLいわゆる悪玉コレステロールが善玉のHDLに対してどのくらいの量あるのかを示す数値です。身体中にコレステロールを運ぶLDLに対して、余分なコレステロールを回収する役目を持つHDLが多ければ、コレステロールが蓄積しづらい身体であると言えます。

これもダイエット前は4.4。ほとんど垂れ流し状態だったコレステロールですが、ダイエットのゴール時には理想的な1.4まで落ちました。

糖質制限と脂質制限、中性脂肪とLDLの関係

ここで興味深いのは、中性脂肪とLDLの動きです。

シーズン1で行っていたダイエット方法は、主食から炭水化物を抜く、いわゆるゆるやかな糖質制限です。それを行ってからすぐに中性脂肪は基準値の範囲へと収まっていきました。そのままシーズン1の終わりまで減少を続け底を打ちます。結局そのポイントが最低ラインだったようで、ダイエット終了までそのレベルをキープし続ける事となりました。

ところが、LDLはダイエット開始直後に一旦は緩やかに下降をし始めますが、すぐに横ばいに転じてそれ以降減少の兆しを見せません。むしろシーズン2の終盤では再び上昇傾向を見せた後、ようやく減少し始めて、基準値内に収まってくるのはカロリー制限を始めたシーズン3以降です。

シーズン1では糖質制限はしていますが、脂質の制限は全く行っていません。今まで通り揚げ物をほぼ毎日のように食べていますし、その総量も特に計算していません。

代わって、シーズン3ではカロリーの総量制限に加えてPFCバランスをチェックしていたので、1日の脂質摂取量は概ね50g以内に抑えられていました。もちろん、糖質もそのバランスの中で調整しています。

で、ここからはこれを踏まえた推論ですが、おそらく中性脂肪は糖質の、LDLは脂質の影響が大きいのではないのでしょうか。

必要以上に摂取して余ってしまった糖質が中性脂肪になることはよく知られたことでもありますが、それに比べて脂質の影響はあまり受けないのではないか。逆にLDLは過剰な脂質摂取の影響を受ける代わりに、糖質の摂取量にはあまり関係がないのではないのだろうか。

ここでいい加減なことは言えませんし、体質的な部分もあるのかもしれません。

しかしながら、上のグラフはそのことを表してしまっています。

ここでWEB上を検索しまくって、その辺りの言説を調べてみたのですが、糖質の過剰摂取が中性脂肪の上昇に深く関与している記事はたくさん見つかるのですが、脂質と糖質の兼ね合い、またLDLと糖質、脂質についての詳しい解説を見つけることが出来ませんでした。もう少し調べてみて次の機会に持ち越したいと思います。

ただし私の体に関しては、これはきっとそういうことではないかと言うのが見えてきました。

今後、中性脂肪やコレステロールをコントロールする上での食生活パターンの参考にできると思います。

健康診断を軽く考えないように・・・多分伝わらないけど

今回は中性脂肪、コレステロール、また血圧について検証してみました。

私の場合は運良く生活習慣病外来に定期通院するという環境のため、こまめに血液成分のチェックが出来ています。会社員を止めてから健康診断もまったく受けていなかったので、これは幸運でした。結果的にはその通院がもとで心臓の病気も見つかっています。

若く元気なうちは健康診断そのものを軽く考えがちですが、少なくともそれが出来る環境にある方は、今一度自分の体ときちんと向き合ってみましょう。

また、自営などの方も、最近では自治体で最低限の健康診断をしてもらえることがほとんどです。面倒くさがらずに是非受けておきましょう。

そもそも私の場合のように、167cm120kgなんていう体はその時点ですでに病気ですものね。