セルフ人体実験をしてみよう
定期的に内科で診察を受けています。
もとは120kgの超肥満体。当然身体のいろいろなところがガタガタでした。いわゆる生活習慣病というやつです。
ダイエットによってかなり健康体へと改善されています。
特にコレステロールや中性脂肪などは、もうすでに何の問題もない状態の基準値にまで回復しています。
ただ、どうやってもなかなか思うように良化しない部分もあり、その1つが痛風の原因となる尿酸値です。
尿酸降下薬の「フェブリク」を飲み始めて、数値が落ちてくると投薬を止める。すると、尿酸値が上がり痛風を発症、再び投薬を開始。
こんなことを3度ほど繰り返した挙げ句、もう薬を止めるのは無理だと言う結論に至りました。
こんなことをして痛風を何度も起こしていたら腎臓がダメになってしまいます。
やはり、遺伝などに起因する部分もあるのでしょう、尿酸値の値がどうしても下がりにくいです。亡くなった父も死の直前まで尿酸降下薬を使用していましたので、おそらく体質的なものでしょう。
そんな父は皮肉にも下肢麻痺だったので痛風に苦しむことはなかったのですが、感覚の残っている私は毎年のように痛風発作に苦しんでおります。
最近では、尿酸値の値については食事の内容から受ける影響は実はほんの一部ではないかという説が有力のようです。つまり、食事療法での治療には限度があると。
それはなんとなくの実感はあるのですが、本当にそうなのか、自分でやれることはもう投薬以外にはないのか。
そこで、ちょっと簡単な実験をしてみることにしました。
あえて検査前の食事でプリン体を摂ってみる
今は尿酸降下薬「フェブリク」を服用中です。そのため尿酸値は基準値内に収まっています。
そこで、血液検査の直前1週間で、あえてプリン体が多め、痛風持ちの人は避けたほうが良い食べ物を、むしろ積極的に食べてみることにしました。
以前、フェブリクを服用しない状態で行った血液検査の数値は記録として残っています。
また、その直前の食事内容も今回のダイエット中でしたのできちんと記録してあります。
ですから、その2つのパターンを比較してみて、食事の内容と投薬の効果の相関関係を少し確かめてみようと思ったのです。
もちろん、今現在ダイエット中で1日の摂取カロリー上限が1500kcalなので、それほど極端な量のプリン体を摂取するようなことにはなりませんが、ある程度傾向のようなものが見えるかもしれません。
血液検査直前1週間のプリン体摂取状況
それが以下の表です。
記録してある食事内容の中から、検査日前1週間でプリン体含有量が多いと言われる食材を使っているもの(一般的に300mg/100g以上)をピックアップしています。
服用のあるなしは、検査日時点で尿酸降下薬「フェブリク」常用しているかどうか。
尿酸値は血液検査の数値です。基準値は7.0と言われており、それを超えると痛風を発症するおそれがあります。
2020/08/18 | 2020/10/27 | 2020/12/09 | 2021/02/09 | 2020/04/13 | |
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服用 | なし | なし | あり | あり | あり |
尿酸値 | 7.7 | 7.0 | 5.7 | 6.2 | 5.5 |
前日 | エビチリ | ラーメン | 海老カツ | ||
前々日 | ニラレバ炒め エビフライ | ||||
3日前 | エビフライ | ラーメン | シーフードミックス | ラーメン | |
4日前 | ラーメン | 担々麺 | ラーメン | ||
5日前 | ラーメン | シーフードカレー | ラーメン エビフライ | 海鮮汁なしそば | |
6日前 | ラーメン エビフライ | エビチリ | ラーメン | ||
7日前 | ラーメン | ラーメン エビチリ | ラーメン |
この表に乗っていない、1つ前の6月の検診時に5.7の尿酸値。それ以前の数値も基準値内で安定していたため、その時点でフェブリク服用を中止していました。
その後1回目の検査ですでに尿酸値が危険水域の7.7となっています。
その前日「エビチリ」を食べていますが、これ実はエビチリといってもスーパーのお惣菜の小鉢レベルのもので、分量的には100gもありません。その前1週間の間も、私にしては珍しく大好きなラーメンも殆ど食べていません。しかし、尿酸値は上昇しています。
続く10月も同じ。このときはラーメンの頻度が増えています。私はスープを飲み干すのでプリン体の摂取量はおそらく少なくはないでしょう。
この頃、9月と11月に1回ずつ痛風発作を起こしています。
尿酸値の上昇と2度の痛風発作を受けて、またフェブリクの服用を再開することになりました。
このときはもうすでに一生フェブリクと付き合う覚悟を決めています。
そこで次回の検診日の直前で、あえてプリン体をいっぱい摂ってみたらどうなるのかと考えました。
それが2月と4月です。
1日1500kcal以内というダイエット面での制限があったため、思っていたほどは無茶な食事内容にはならなかったのですが、過去3回分と比べると少し多めにプリン体を摂取できたのではないでしょうか。
「できたのではないでしょうか」ってちょっと痛風持ちとしては狂気じみた表現ですが。
結果的にどうなったか。数字をご覧いただければおわかりでしょう。
この程度の食事内容の変化であれば、プリン体の含有量を気にする必要はない
というのが私の結論です。
薬以外では尿酸値を抑え込めない
実は、ここで注目すべきはフェブリク服用時に尿酸値が抑えられているという点ではありません。
尿酸降下薬を服用すれば、尿酸値がいくらかは下がるのは当然の結果です。
むしろ、服用していないとき、あまりプリン体含有量の多い食事を摂っていないにも関わらず、尿酸値が基準値を超えてしまっているということが問題です。
つまり薬を使っていないと、この程度のありふれた食生活でも尿酸値が基準を上回ってしまうのです。
ありふれた食生活と言いましたが、この期間、1日1500kcal制限の続くダイエット生活中です。むしろ通常よりもかなりストイックな食生活、食事内容です。
それでもなお、摂取したプリン体の量に関係なく、体内に尿酸が蓄積されてしまうのです。
以前、敗北宣言をいたしました。
やはり、もう尿酸値に抗うことはできないようです。
むしろ変に薬を止めたりすると、また痛風発作が起こって他の臓器に影響が出そうです。
過剰な食事制限からくるストレスとのバランスを考えても、ここはもう、薬に頼って、ある程度好きなものを食べましょう。
エビフライを食べましょう。レバニラ炒めを食べましょう。
但し書き
最低限、注意することはもちろんあります。
何度も言いますが、今はダイエットによる食事制限の最中です。
もちろん、このダイエットが終わってもリバウンドをしないように、バランスの良い、適度な食事内容を続けていくつもりではありますが、食事制限が外れたからと言ってあまりにも極端に食事内容が偏ってしまっては、薬で抑え込めるものも抑えられなくなってしまいます。
また、私は普段お酒を飲みません。
酒類が尿酸値の上昇に与える影響はとても大きいです。お酒を飲む人の場合はそこも考慮に入れる必要があるでしょう。
私の服用しているフェブリクは10mgを毎朝1錠です。これはまだ、そんなに多めの用量ではありません。最低限の量です。これを今後増量しなくて済むような工夫はしていかなければならないでしょう。
最後に、
これは私のケースです。
個人差があります。
高尿酸血症にも色々なタイプがあります。
過剰に合成されてしまう人、排出がうまくいかない人、また、その両方など。
食事制限の成果が人一倍効果的な人もいるでしょう。
あくまでも、自分の体の状態を見極めて、きちんとした診察を受けて、無理をしないように痛風と付き合っていきましょう。
そんなわけで、「痛風ウォーズ」は今回で最終回、これで一旦おしまいです。
負けて終わりです。
私の今の目標は、とりあえず今後の痛風発作を「0」にすること。そのために導き出した方法は、尿酸降下薬を服用しながら今のような食生活を続けること。
以上です。