214日目 88.4kg -31.6kg
名古屋大学が肥満抑制遺伝子を同定したというニュースがありました。
肥満を抑制する遺伝子を発見 名古屋大学
どうやらLY75という遺伝子が脂肪を減少させているらしいということを見つけたということです。
肥満治療のほか畜産物の生産性向上への期待と記事は結んでいますが、どうなんでしょう?美味しそうなヒレ肉を自由に作れるようになるんでしょうか。
とんかつの脂身は苦手なので全部ヒレ肉みたいになってくれるとうれしいです。
今回は肥満「抑制」遺伝子のニュースでしたが、肥満遺伝子や肥満治療薬やらのニュースは今までも時折発信されています。
そのたびに、近い将来簡単に肥満を解消できるのではないかと話題になるのですが、いっこうにその気配はありません。
実際に抗肥満薬は存在してますし、現実に使用されるケースもあるようですが、やはりまだ、その効果や安全性に疑問符がつくということもあり、一般的ではありません。
「朝晩1錠ずつですっきりお腹に!」などという時代はいずれ訪れるかもしれませんが、iPS細胞の実用化よりもっともっと先のような気がします。
だけど、あれ? 食後に必ず怪しい錠剤を飲んでいる人を見たことありませんか?
痩せるために、太らないために。
食後の脂肪吸収を抑える効果がある錠剤。これ、薬ではなく健康食品として売られているものです。
その中には特定健康食品いわゆるトクホといわれる少なくともお上のお墨付きを得ているものから、ほんとに訳のわからない、大人向け雑誌の見開き広告に載っているようなものまで、実に多種多様なものがあります。
見たことありすよね、痩せて人生変わりました!とかで美女はべらせている胡散臭い写真。
現実には肥満の特効薬などないに等しいのに、こういうものが幅を利かせ、また、それにすがる人の多いこと。
そういう私も実は使っていたことがあります。若かりし頃の黒歴史です。
食後に1錠飲めば脂肪の吸収を抑えて痩せられるという触れ込みでした。
経験上はっきりいいますが、効果は「まったく」ありません。「0」です。
そもそも、食事直後に錠剤を飲んで、今食べた食事の脂肪吸収をブロックすれば痩せられるというのは、メカニズムとして間違っているような気がします。
これらの食品のパッケージや広告などには、
「 健康的なダイエットには適切な食生活と運動が必要です 」
と明記されています。
また、健康器具、健康食品、痩身グッズなどの通販番組で、実際に視聴者(?)に体験させているものがありますが、アレの場合も十中八九、効果を説明する画面の片隅に
「効果は適切な食事指導と運動を同時に行った結果です」
「効果は個人により異なります」
といった内容の注意書きがあります。
つまり、そういうことなのです。すべての健康食品に効果がないわけではありません。
特保や機能性食品などは実際に実験によって得られたデータ自体はあるのですから、闇雲にこれを否定するつもりもありません。
しかしベースにあるのは適切な運動と食事です。むしろそれをきちんと実行する以外にダイエットを成功する方法はありません。
このようなダイエット食品、ダイエットグッズに頼りがちな人の特徴としてもう一つ。
「これを使っているから大丈夫」という意識になりやすいということもあります。
痩せる薬を飲んでいるのだから食べても大丈夫。痩身グッズをつかっているから運動しなくても大丈夫。
そして、例えその食品やグッズが少なからず効果があるものであっても、それを上回るスピードで太り続けていくのです。
だいたい、決定的な効果があるものならば、もっともっと、それこそ世界中で大きな話題を読んでいるはずです。
ダイエットの方法についても、過去に様々なダイエット方法がブームになりました。
それらが発表されたときはこぞってメディアが取り上げ、ある食品が注目されたら店舗からその食品が消えるなんてこともよくありました。
でもね、ずーっとずっと、長く注目されているダイエット法ってありますか?
すぐに消えていきませんか?
確実に効果があるダイエット法ならば、いつまでも同じ方法が受け継がれていても良いではないですか。
でも実際は、新しいダイエット法が考案されてはブームを呼んで消えていく。何故でしょうか。
そこに正解はないからではないでしょうか。
正解ならばいつまでも、永く残っていくはずなのです。
ここでも繰り返しますが、これらのダイエット法がすべて効果がないわけではありません(なかには胡散臭いものもありますが)。効果は少なからずあるでしょう。
しかし、前述の「これで大丈夫病」のように、偏った習慣や偏った食事ではダイエットは成功しないのです。
ダイエットは引き算です。食べた分が使ったエネルギーを下回れば痩せますし、逆なら太ります。
単純なことなのです。
だから、痩せるためには運動でエネルギーを消費して、食事制限で摂取分を減らすのです。
そうしたうえで、さらに、現在では過剰摂取分が脂肪として蓄積されやすいとされる糖質と脂質を制限するという方法をとるのです。
以上は、全て私の経験則です。書きながら自分を戒めています。
ダイエットに近道はありません。地道に積み上げていこうと思います。
余談ですが、王道の意味
「王道なし」という使われ方をする「王道」という単語。
これ、「定番の」「標準の」「混じりけのない純粋な」というような意味で使われている方が多いのではないでしょうか。
現在、すでにそれでも意味が通じるようになってしまっているのでそれはそれで良いのでしょうが、もともとは違う意味らしいです。
ざっくり説明すると、昔々のはるか昔、偉い王様が自分用に楽をして近道をするために用いた道のことを「王道」といって、要するに「近道」のことです。
そこでまた、昔々の偉い学者さん
「学問に王道なし」
つまり、勉強するのに近道、楽な道はありませんよ、という意味でこの言葉を用いました。
それが、現在の誤用(転用?)と混ざりあって、「~に王道なし」の意味すらも、
「~する方法に定番はない」「いろいろな方法がある」
というような間違った捉えられ方をしている場合があります。
この「~に王道なし」は前述のように、本来は「~するのに楽な道などありませんよ」という意味なのです。
昨今のネット用語風に言えば、
「王道」 = 「チート」 です。
これ、新日本プロレスの「闘魂」に対して(おそらく誤用の方の意味で)「王道」を謳った全日本プロレスのせいではないかと個人的には少し思います。
そんなわけもないか。
兎にも角にも、「ダイエットに王道なし」
ズルしても痩せません。