ライデイン、ギガデイン、プロテイン
紹介するまでもない「プロテイン」です。
ダイエット中の人、体を鍛えている人、ガチな人からライトな人まで、ボディメイクを意識した生活をしている人なら避けては通れない便利な食品「プロテイン」
今回はダイエット中のプロテインの話です。
あくまでも私のようなケース、脂肪でブヨブヨに太った体をまともな体に向けてダイエットしている状況でのプロテイン生活です。
ストイックに筋肉を育ててムッキムキな体を目指す人、キレッキレのマッスルボディになっていずれはボディビルの大会に出場するのを夢に見るような、いわゆるガチな人向けの話ではありません。
体重を減らそうとしている人にとってのプロテインです。
筋肉にガチな、そんな人はブラウザの検索窓に「マッスル ガチ プロテイン」と入力して検索し直してください。
プロテインは痩せ薬ではありません
そもそも「プロテイン」とは?
名前からして、もうなにか強めの攻撃呪文か巨大合体ロボみたいでそそります。
これはようするに「たんぱく質」の英語です。
つまり「ビタミンC」とか「脂質」とか「鉄分」とかの栄養素と同じ類のもので、薬品や食品の名前ではありません。
しかしながら今、日本語で「プロテイン」と言えばいわゆるプロテイン粉末や飲料のことを指すことがほとんどです。
また、本来の「たんぱく質」という意味においても、栄養補助食品などいわゆる「たんぱく質含有量が多い食品」を表現するのに対して「プロテイン〇〇g」といった使い方がほとんどではないでしょうか。
普通の食材、お肉や豆腐などの栄養素を言うのに「プロテイン」とはあまり言いませんよね。
このように「プロテイン」といえば、健康食品的な扱い、イメージが大きくなっているのではないでしょうか。
ところがそうであるがゆえに、プロテインをちょっと勘違いしてしまっている人が少なくないのも事実。
よくある勘違いは「プロテインを飲むと痩せる」と思っている人がいること。
そんなわけはありません。
最初の説明を思い出してください。
「プロテイン」とは「たんぱく質」という「栄養素」です。
昔、授業で習いましたね。栄養素の種類について。
たんぱく質というのは「脂質」や「カルシウム」「鉄分」などと同じで、体を作る栄養素、体の部品です。
糖質はエネルギーとなる栄養素、電池やガソリンといったところでしょうか。もっとも、この糖質という奴は厄介で、摂りすぎて余ると体内に脂肪として残ります。ガソリンを入れすぎてタンクが大きくなってしまった状態と考えてください。
そしてビタミン類などは体の調子を整える栄養素、何に例えるといいのだろう?オイルとか添加剤かな。
まわりくどく栄養素の説明をしましたが、つまり体を構成する栄養素のたんぱく質がプロテインの正体である以上、プロテインを飲んで痩せることなどありえないのです。
それはつまり、「たんぱく質を摂取すると痩せる」といっているのと同じこと。
もっとハッキリと言いましょう。
今、日常で行っている食生活をそのまま続けた上で、その食事にプロテインを足した場合、プロテインを足した分だけ体重が増えます。
つまり太ります。
太ると言う言葉がいささか扇動的かもしれませんので言い換えましょう。
プロテインを摂ると、摂った分だけ体が大きくなります。
これが真実です。ただ一つの真実です。
痩せる太るはそんなに単純なメカニズムでもないので、実際は摂った分だけ純粋に体重が増えるようなことはないのでしょうが、それでも、プロテインを摂った量に呼応して体が大きくなるのは間違いありません。
なのにプロテインで痩せると思ってしまう人がいる。
何故そんな誤解が広がってしまうのでしょう
試しに「プロテイン 痩せる」とグーグル検索してみてください。
なんと1万5千件以上ヒットします。
検索結果には「プロテインダイエット」「プロテインで痩せる」の言葉が並びます。
記事のタイトルには扇動的な言葉が並びます。
ちょっとさすがにこれらすべての記事をチェックは出来ませんが、おそらく、どれも記事の中には「プロテインを飲めば痩せる」とは書いてないと思います。
だってそんなの嘘だもの。嘘を書いたらまずいもの。
これらの記事のいくつかを確認してみたところ、プロテインについてのデメリットもきちんと書いてあります。
摂りすぎた場合の体重増加や内臓への負担についてもきちんと言及しているものも多いです。
だからちゃんと読めばわかるのですが、きっと「プロテイン飲めばやせるんでしょ?」って言ってる人はおそらくきちんと読まない。
そう考えるとこの記事を書いているのも無駄なような気がしてきました。
でも続けましょう。
これ、よくある「ホニャララするだけで痩せる」症候群の一種だと思われます。
定期的に何とかダイエットが流行しますよね。
「朝バナナ~」「りんご~」「ロングブレス~」「納豆~」などなど。
これらに実際どれほどの効果があるのかは私はやったことがないからわかりません。
でも、そこに成功者が何人かいるということはきっと効果があるのでしょう。でも、それだけをやったからではないはずなのです。
朝にバナナを食べたから、毎日りんごを食べたから、深く呼吸をしたから。それだけで痩せたわけではないはずです。
痩せた人はそれ以外の栄養管理がきちんとなされていたはずなのです。
みなさんご存知だと思いますが、ダイエット商品の通販などには、画面の隅っこに小さい字で
「適切な栄養管理と運動を行った結果です」「効果には個人差があります」
と書いてあります。
売ってる方も、それやってるだけじゃ痩せないよ、ということを知っているということですね。
どうしても楽して痩せたいので「~だけで」という言葉につられてしまうのです。
また売る側も、そこのあたりは濁したまま「これを飲めば(使えば)痩せる」と思わせたほうが商品の食いつきが良いので、やぶ蛇なことは決してしません。
だから、「プロテインでダイエット」という言葉に反応して、飲めば痩せると思う人が食いついてしまう、文字通り。
でも、今までの生活が今までのままであったなら、プロテインを飲めば太るのです。飲めば飲むほど太るのです。
ちなみに、もう一つの間違った印象である「プロテインを飲めば強くなる」も嘘です。強くなりません。太ります。
ものすごく遠回しに考えれば全部間違ってはいないと思いますが、プロテイン飲んだだけで力が強くなるわけでもありません。
では何故プロテインはダイエットに必要なのか
それも最初の説明につきるのです。
何故なら「プロテイン」は「たんぱく質」だから。
ダイエットとは。
本来体に必要なエネルギーを、その十分な量を外から入らないようにすることで、体に蓄えられたエネルギー(脂肪)を使用して減らしていく行為です。
人間は体を動かそうとしたときに、食事から血液中に送られた(ざっくりと省略してます)エネルギーを使うわけですが、このエネルギーが足りない場合、「じゃあ動くのやめよう」とはなりません。
体内分のエネルギーを貯蔵タンクから取り出して使います。これが脂肪です。
こうして脂肪がエネルギーとして消費されると、贅肉が減っていくのです。痩せるのです。
ところが、人の体はそんなに都合よく出来ているわけでもありません。
お馬鹿さんがいるわけです。
あまったエネルギーが脂肪として、贅肉として蓄えられているのだから、素直にそれを使っておけば良いものを、筋肉を分解してエネルギーとして使ってしまう空気を読めないやつが混ざっているのです。
つまり、物置にたっぷりと灯油がしまってあるにも関わらず、家の柱や壁をぶっ壊してストーブに焚べるアホなやつが体の中にいるのです。
ダイエット中にこれが起こることで、脂肪だけではなくて筋肉までもが痩せていきます。
不要な贅肉だけではなく、大事な筋肉までもが失われてしまうのです。
そこでプロテインです。
プロテインと言うかたんぱく質です。
じゃあ、材料をどんどん取り込んでやれということです。補填してやれということです。
そもそもダイエット中でなくとも、普通に生活していく上でも体には新陳代謝というものがありますから、体の部品(栄養素)は一定量体に取り込む必要があります。
当然たんぱく質もその中の一つです。
1日のたんぱく質の必要摂取量はだいたい自分の体重✕0.8g~1.0gと言われています。体重60kgの人だと48gから60g。
習慣的に運動をする人であればそれに応じて必要量は上がります。
本気のボディメーカーだと体重✕2.0gともいわれます。
この量をとらないと、もちろん環境・個人差はあるでしょうが、筋肉がやせ細っていってしまうと思ってください。
たんぱく質の摂取は意外と難しい
ここで、もう一つ多い誤解があります。
たんぱく質60g、簡単じゃないか?そう思いませんか。
お肉100gでしょ?牛乳ならコップ1杯くらいでしょ?
全然違います。全く足りません。
100gのお肉、100ccの牛乳、すべてがたんぱく質ではありません。
すべてじゃないどころか、ほとんどの食品のたんぱく質が占める割合は実に微々たるものなのです。
こちらの食品宅配サービス「ミールタイム」さんのサイトに、主な食品の栄養成分一覧表があります。
https://www.mealtime.jp/mealtime_shop/pdf/look02.pdf
この中から、一般的にたんぱく質が豊富だと思われている食品の、実際のたんぱく質含有量を取り出してみましょう。
食品名 | たんぱく質 |
---|---|
鶏ささみ肉 | 23.0g |
豚ヒレ肉 | 22.8g |
マグロ赤身 | 26.4g |
ブロッコリー | 4.3g |
牛乳 | 3.3g |
プロセスチーズ | 22.7 |
いかがでしょうか。
アスリートなどが体作りのためによく食べることがあり、たんぱく質がたっぷりのイメージの鶏のササミですら100g中にふくまれるたんぱく質の量はたったの23gしかないのです。
100gの食品を食べたら100gのたんぱく質が得られるわけではないのです。
そして、比較的たんぱく質が多く含まれている食品ですらこの量ですから、それ以外の食品ともなるともっと少なくなります。
例えば、主食たる白米には2.5g、中華麺4.9g、食パン9.3g。野菜となるとほとんどが1~3g程度。
さすがに肉・魚類は少し多くなりますが、それでも前述のササミのように20g程度が限界で、脂身の多い部位になるとその含有量はさらに減ってきます。
そのため、こういった普通の食材だけで1日に必要なたんぱく質を摂ろうとすると、かなりの量を食べなければなりません。
1日60g摂るためには、含有量が豊富なササミで300g、肉類の中でも少なめの牛バラ肉(たんぱく質12.5g)ならば480g、牛乳1.8リットル、ご飯15杯、食パンならば6切れのもので10枚食べないと必要量に足りません。
もちろん、実際の食事ではそれだけを大量に食べるわけではなく、いろいろな食材を組み合わせて食べることになりますから、上の例よりはある程度ハードルは下がるでしょう。
しかし、ここでは「ダイエット中」の話です。もう一つの問題があります。
たんぱく質、プロテインも食品です。栄養成分です。
つまり、当然プロテインにもカロリーがあるのです。
必要な量のたんぱく質を摂取しようとすれば、当たり前のようにその分は摂取カロリーとして体に取り込まれることになります。
さらに具合の悪いことに、通常の食材だと、たんぱく質以外の、出来れば摂りたくない成分が持っている他のカロリーも同時に摂取してしまうことになるのです。
上でちょっと触れた牛バラ肉。これには100g中に12.5gのたんぱく質が含まれています。
つまり、残り87.5gはそれ以外のものです。そのすべてが栄養として取り込まれるわけではありません。実際、不必要な部分はそのうち〇〇○として体外に排出されます。
しかし、栄養素として体内に吸収される分も当然多く、特に牛バラ肉100gに含まれる脂質(油身です)の量はなんと50g。牛バラ肉の半分は油です。
そのため、牛バラ肉100gのカロリーはとても高く、鶏ササミ100gの105kcalに対して、454kcalにもなります。
同じ分量のたんぱく質を摂ろうとすると、牛バラ肉は鶏ササミよりも4.5倍のカロリーを摂ってしまうことになるのです。
さあ、おさらいしましょう。
ダイエットは消費カロリー以下に摂取カロリーを低く抑える必要があります。
そのためにはできるだけ余分なカロリーをカットしなければなりません。
一方で、ダイエット中、エネルギー不足でうっかり分解されてしまう筋肉を守るために、たんぱく質も一定量摂取しなければなりません。
ところが、必要な量のたんぱく質を摂取しようとすると、今度はカロリーが高くなってしまいます。
どうすればよいのか?
できるだけ、たんぱく質の含有量の多い食品、純度の高い食品を意識して食べることになります。
すると、今度は食事の量(文字通りの分量)や、バリエーションの問題が出てきます。
いくらダイエット中でも、ササミや玉子の白身ばかりを、大量にバクバク食べ続けるのは結構大変です。
アスリートやビルダー達は実際にそれをやっているわけですが、普通の人が普通のダイエット中にそれをやるのはかなりのストレスだし、手間もかかります。
そこで便利になってくるのが「プロテイン粉末」「プロテイン飲料」となってくるのです。
プロテイン食品はあくまでもサポート役
長い前フリをを経て、やっと本題にたどり着きました。
きっと途中で離脱した人もいっぱいいることでしょう。
私の文章力の至らなさもありますが、上の方で言ったように、必要な情報を必要なときに学ばない人は、「プロテインで痩せる」を信じて太ってしまいます。もうちょっとお付き合いください。
あの、薬局などで見かける「プロテイン粉末」「プロテイン飲料」などは、要するに、
最もたんぱく質の純度が高い食品なのです。
余計なものが殆ど入っていないのです。
たんぱく質を摂取しようとしたときに、いらない糖質や脂質をできるだけカットしてあるのです。
私は情弱なので、割高ですがおそらく最もポピュラーなザバスのプロテインを使用しています。
この「SAVASホエイプロテイン」の場合、1回の使用目安量が21g。付属の計量スプーン3杯を水や牛乳で溶かして飲むわけですが、そのタンパク質含有は15gです。それ以外の部分は6gだけ。
他の食品のように100g換算にすればなんとたんばく質含有量は71g。
にも関わらず、1回分21gのカロリーはわずかに83kcalに過ぎません。
つまり、できるだけ摂取カロリーを抑えながら、効率よくたんぱく質を摂取できるのがプロテイン粉末などのいわゆる「プロテイン食品」なのです。
ですからダイエット中の正しい使い方は、
カロリー制限をする中で、足りなくなってしまうたんぱく質を補うために摂取する
ということになります。
1日の食生活の中でたんぱく質が満たされていれば、摂る必要はないのです。
しかもたんぱく質は、一度に一定量以上摂取しても体内に吸収することが出来ないと言われています。その目安としては30~40g。
一回の食事でそれ以上のたんぱく質を摂っても、吸収されずに体の外に捨てられてしまいます。
また、過度のたんぱく質摂取は肝臓の負担も増すとも言われています。
(※肝臓への負担については諸説あり、生活習慣病専門のわたしの主治医は「それほど気にすることはない」と言っています※)
ですから、あくまでも栄養管理をきちんとして、自分がどれくらいのたんぱく質を摂っているのかを把握した上で、プロテイン食品を使用しなければならないのです。
そしてまた、当然プロテイン食品を使用する場合も、ダイエット計画の総カロリー制限の中で使用しなければいけません。
1日に1500kcalまでと決めているのであれば、その枠の中にプロテイン食品も入れなければならないのです。
デザートは別腹がごとく、プロテインを別枠にしてはいけないのです。
プロテインで80kcal摂取したら、カロリー的にはお菓子を80kcal分食べたのと何ら変わりはないのです。
「プロテインを摂ると太る」というのはそういうことです。
プロテイン食品の摂取はあくまでも、他の食品との置き換え。
純度の低いものよりもたんぱく質摂取効率がよいから摂るだけです。
今まで太っていた人が、そのままの食生活を変えずに、そこにプロテインだけを加えたら、それは食べる量を増やしたのと変わりません。
しいていうなら、足したプロテインのカロリー分だけ他の食品を減らしたら、それはちょっとマシにはなるかもしれません。
でも、消費カロリーが摂取カロリーを上回らない限り、体重は減りません。
私のプロテインの使い方
言ったように、あくまでも1日の調整です。
私は摂取カロリーをスマホアプリ「あすけん」で毎食管理しています。
そして、メニューを入力して栄養素を確認したときに、たんぱく質が足りないなと思った場合、プロテイン食品を加えるようにしています。
摂取の目安としては、だいたい最低でも体重目安で80g。
ただ、定期的な筋トレで筋肉にダメージを与え続けているので、出来れば100~120gを目標にしています。
ですから、他の食事で満たすことができる場合はプロテイン粉末などを摂りません。通常の食事で済ませてしまいます。
ただ、さんざん書きましたが、カロリーを低く抑えながら、通常の食事でたんぱく質をとるのは大変です。自ずとプロテイン粉末などに頼ることは多くなります。
最近では、朝食で食べているシリアル食品に粉末をふりかけて、そこに豆乳をかけて食べたりしています。
それ以前は予めたんぱく質が多めに含まれているシリアルを選んでいたのですが、どうしても種類が少なく、もっと色んなものが食べたいと思っていました。
で、結局「これ、プロテインも一緒に食べたら同じことじゃないか?」という発想にいたり、今の食べ方になっています。
私はSAVASのプロテインしか実は知らないのですが、そもそも、これ非常に美味しいです。
お気に入りはバニラ味ですが、きちんとシェイカーでシェイクすれば粉っぽいようなこともなく、牛乳を使った場合などはもうバニラシェイクのような味で、たぶんダイエット中でなければ2リットルくらい飲んでしまいそうです。
グラノーラにバニラ味のプロテイン粉末を振りかけると、バニラトッピングみたいになって甘みもまして美味しくなります。
(注意!:プロテイン粉末を牛乳で溶かして使用する場合は、牛乳の脂質などのカロリーも当然加算されますのできちんと管理してください)
でも、ここのところ、その朝食のシリアルぶっかけプロテイン以外はあまり摂っていないです。
さすがにカロリーコントロール生活も半年を過ぎ、だいぶ献立作成にも慣れてきました。
食材を選ぶときも出来るだけたんぱく質が多く含まれているものを選ぶようにしていると、足りなくなるようなこともだんだんと無くなってきました。
こちらが、あすけんの2020年9月と10月の栄養摂取実績です。月平均値です。
だいたい平均で100gほどのたんぱく質を摂取できています。
そして、プロテイン食品は色分けの凡例の黄色のサプリに分類されているのですが、たんぱく質の全体量のうち、黄色の部分がほんの僅かであることがおわかりになるかと思います。
このように、あくまでもプロテイン食品は補助であって、足りない分のたんぱく質をサポートするに過ぎないのです。
それでも、正しく考えて、正しく使えば、こんなに便利なものはありません。
いたずらに、あやふやな情報に飲み込まれず、健康的なダイエット生活、プロテイン生活をおくりましょう。