忘れた頃にやってくるあいつ
シーズン2の筋トレの記事でこんなことを書いています。
「全身チャレンジが終わったのが10月18日。そのあと、実施日がスカスカになっています。結構休んでいるのですが、理由が思い出せないのです。」
思い出しました。
10月23日に痛風発作を起こしていました。
久々の痛風です。
この時期にそういえば痛風になってたなというのは漠然と記憶していたのですが、Googleアカウントのタイムライン(GPSなどで行動記録を管理できる機能)で確認したところ、10月24日の朝一で病院へ行っていました。この日です。
もともと尿酸値高めで今までにも数回痛風発作を起こしており、尿酸値を下げる薬「フェブリク」を服用していたのですが、減量の成果なのか薬の効果なのか、尿酸値が基準内に収まったタイミングで薬の服用をやめることになりました。
そのとき、意気揚々とこんな記事を書いています。
それから約半年、あっさり再発しました。
かかとに出るタイプのやつです。
幸い、そんなに重症ではなかったので歩いて病院まで行きましたし、痛みも2日ほどで収まり、通院した3日後の27日にはトレーニングを再開しています。
しかしながら、痛みがどうこうというよりは、もう大丈夫だろうと思っていた痛風にまた襲われてしまったことの精神的ショックのほうが大きかったような気がします。
何故痛風を再発したのかを冷静に考える
検証してみます。
まず、1つ目。
単純に薬の服用を止めたことが大きかった。
フェブリクを止める前後の尿酸値の推移です。
18/10 | 18/12 | 19/02 | 19/04 | 19/06 | 19/08 | 19/10 |
---|---|---|---|---|---|---|
7.3 | 6.6 | 5.9 | 7.4 | 7.2 | 8.2 | 7.8 |
薬をやめたのが19年の3月です。ご覧のように、翌月の4月から再び危険地の7を超えています。痛風発症直前には8付近まで数値は上昇しています。
もうはっきりしています。
私の場合、単純に薬のおかげで尿酸値が下がっていただけだった。もちろん、以前と比べて体質は改善に向かっていたのは確かですが、まだまだ痛風を抑え込めるほどのものではなかったということです。
その後、再び「フェブリク」を処方されることとなりました。
なにか上記の記事で、「さらば痛風」なんて書いていたのが恥ずかしくさえ思います。
ただ、あの記事の内容に関しては、私の体がまだそのレベルに達していなかったというだけで、別に間違ったことを書いていたわけではありません。
肥満解消と適度な運動が尿酸値の減少によいというのはもちろんですし、プリン体も、食事から吸収される量自体は全体の約2割ほどというのもちゃんとした事実のようです。だって、ちゃんと調べて書きましたもの。
でも、今回やはり痛風になりました。
ここでもう一度きちんと考えてみたいと思います。
今後の対策として
今回通院した際に、こんな冊子を頂きました。痛風の患者さんはみんな頂けるようです。
改めて痛風の原因とは
内容としては、痛風とは何か。何故痛風になるのか。どうしたら防げるのか。そのへんが書かれています。
ネットなどを始め、いろいろなところで得られる情報と大きな差はないのですが、この際ですからちゃんと読んで見ようと思います。
痛風のもととなる「高尿酸血症」はそもそも何が原因か?
肥満、飲みすぎ、食べすぎ、運動不足、ストレス、そして、そもそもの体質。
私の場合、おそらく体質的なもので尿酸を溜め込みやすい体質であるとは思います。この冊子にも、いちおう、「痛風は決して贅沢病ではない」とかいてあります。もちろん、暴飲暴食や肥満は痛風の原因になりますが、それだけではありません。
冊子にも以下の記述があります。
尿酸は誰のからだの中でもつくられます。
尿酸はからだの中のエネルギーの燃えかすであり、すべての人の体内でつくられる物質です。また食物中のプリン体からもつくられますが、プリン体は日常の食物にはそれほど多く含まれていません。できた尿酸は、主として腎臓から尿の中に捨てられます。
痛風手帳より
誤解してはいけないのは、だから何を食べても、何を飲んでも良い、というわけではないということ。
いくら食物からのプリン体がそれほど多くなくても、含まれているのは間違いないわけですから、量を取りすぎればその数字自体が大きくなるのは当たり前です。普段から尿酸値が高い場合は、やはりそれなりの食事管理は必要でしょう。というか、極端な暴飲暴食をしないというだけでもそれは効果があるとおもいます。
痛風にならないために
痛風予防のためにどうするべきか?それも当然冊子にまとめられています。
- 肥満を解消する
- アルコールを控えるー特にビール
- 水を十分に飲む
- 軽い運動をする
- 精神的ストレスを発散させる
これらももうすでに痛風の経験者であれば、いまさら言われるまでもなく何度も聞いている内容かと思われます。それができているかどうかは別として。
5番のストレスなんてのは、普段の生活の中で自由にコントロールすることなど難しいとは思いますが、他の4つはなんとかなりそうです。
肥満の解消については、今やってる最中です。
2番については、私は普段お酒をほとんど飲まないので関係ありません。もともとお酒があまり好きではないのです。お酒がお好きな方にとってはこれが一番辛い部分なのかも知れませんが、あの痛みや、将来的な腎不全の恐怖とを天秤にかけてどうかというところでしょう。
いまはプリン体フリーのアルコール飲料など、そのあたり工夫することも出来るかと思います。
3番の「水を飲む」は大事です。痛風予防だけでなく、日常的に一定の水分補給、特に温暖化が顕著な最近では熱中症対策としても注目されていますが、じゃあ、必要十分な水分を誰もが摂取できているかというと、意外とできていないことも多いです。
水分をいっぱい摂ることでおしっこの量を増やして、体内の尿酸を外に出してしまおうということですが、お年を召した方、また、女性の中にはトイレの回数が増えるのを嫌って、水分を控えてしまう方もいます。
痛風以外でも、よく足をつるなんていう人も、水をよく飲むようになってそれが治った何ていう話もよく聞きます。
一日2リットル飲むのが良い、なんてよく言われますが、2リットルって結構あります。あの大きなペットボトルを前にして、さあこれを一息でと言われたらそれはもちろんキツイです。やはりそこはコマ目な水分補給。特に、尿酸値に不安のある人は水筒や小さめのペットボトルを携帯して、30分~1時間ごとに口を潤す程度に水を含んでいると、1日が終わる頃にはそこそこの水分を摂取できていると思います。
痛風を発症した当時の自分を振り返ってみても、あまりこれができていなかったような気がします。いまでも、予防法の中では一番忘れてしまいがちな項目でもありますので、そこは気をつけて水分補給を心がけるようにしたいです。
軽い運動と激しい運動
そして、4番の軽い運動についてですが、ここにちょっと今回の痛風発作のカギがあるような気もします。
私はダイエットを初めて以来、ずっとウォーキングを続けていました。この痛風発作が起きるころもサボることなく定期的にウォーキングを続けていました。ウォーキングといえば軽い運動の代表のようなものです。そのあたりの対策はバッチリだと思っていたのですが、落とし穴が合ったようです。
冊子からです。
軽いジョギングなどの楽な運動は、有酸素運動で尿酸値を上げません。~中略~ ただし、運動不足の患者さんがいきなり能力以上の激しい運動をすると、無酸素運動となって、体内に酸素が不足して血清尿酸値が一時的に上がりますから要注意です。
痛風手帳より
ドンピシャです。
今回、痛風発作が10月下旬。私は9月からまさにこの「運動不足の患者さんのいきなり能力以上の激しい運動」をしていました。
もう完全なる痛風要因です。
もちろん、それ以前にすでに尿酸値が高いのでそれだけが原因ではないでしょうが、急に始めた筋トレが痛風の引き金になった可能性はあるでしょう。
尿酸値が高めの方で、筋トレ(無酸素運動)を始めようと思っている方、なにとぞゆっくりとゆっくりと軽めに始動してください。痛風になります。
ただ、私も決して軽くないわけじゃなかったのです。記事を見て頂けるとわかように、トレーニングメニュー自体は十分軽いのですが、なにより自分の体の鈍り具合が想像を絶していた。それなのに、トレーニングプランを増やすとか、身の丈に合わないことをしてしまいました。まさか痛風になるとは思わなかったので。
正直、この頃すでに筋トレ依存になりかけていましたので、発作が収まってからあまり日を置かずにトレーニングを再開しています。あんまりよくないのでしょうが、でもしかし、続けてトレーニングをしていたことで「運動不足」というカテゴリーからは脱出できたような気がします。あくまで「能力以上の激しい運動」が危険ですよ(もちろん痛風以外の面でも)ということですので、運動を始めようとしているかた、ご注意願います。
食事の管理
食事で気をつけることも、もちろん書かれています。
- 総カロリーの制限
- プリン体の多い食物を食べすぎない
- アルカリ性食品を多く摂る
もう今さらといった内容です。改めて気をつけましょう。
冊子に載っていた表を貼っておきます。
そしていま現在(2020年6月28日)
前回の検診結果を受けて、またフェブリクの処方がなくなりました。
19年10月末の痛風発作後再びフェブリクの服用を続け、尿酸値が7.6▶6.6▶5.9▶5.7と下がってきました。前回服用時と同じかそれ以下に下がってきたことを考慮してのものです。
ただ、前回は薬を止めた直後から再び尿酸値が上がってしまいました。今回はどうなることか。
でも、今回は前と違うことがいくつかあります。
まず、前回の発作時から体重をさらに5kgほど減らした。もちろん、まだトータルで80kg超えですので肥満の領域ですが、その減量は止まっているわけではなく、今なお続いています。
そして、運動も、有酸素運動、無酸素運動とバランス良く、適度(ちょっとキツめですが)な強度で長く続けている。
最後に一番大きく、そして、主治医の先生がフェブリクの処方を止めるに至った一番の決定打と思えるのが、食事制限を徹底できていること。
これは、また最近体重が減り始めたこととも大きく関係していますが、2020年3月末頃から食事の総カロリー制限を徹底することにしました。
今でも続いています。特に大きな辛さも感じていないので、しばらくは続くでしょう。
ちなみに、プリン体の含有量などはあまり意識していません。あくまで減量のための総カロリーの管理です。
主治医の先生がフェブリクをまた止めてみましょうと言われたときに「次回検査の尿酸値をみて、また改めて薬どうするかって感じですか?」と質問したのですが、「そうですね、うーん、でも多分大丈夫でしょう」と頼もしいお言葉を頂きました。
まだまだどうなるかわかりません。結局がっかりすることになるかもしれませんが、その時はその時。やることやって次回の検査(8月)を楽しみに待ちたいと思います。
痛風持ちの皆さん、ともに頑張りましょう。
2020年11月15日追記
その先の物語。続きをどうぞ。