今回のダイエット最終盤、いよいよのこり5kgを切った辺りから訪れた深刻な停滞期。
運動、食事制限ともにきっちりと数字上の管理をしているのにも関わらず、体重も体脂肪率も落ちなくなりました。落ちなくなるどころか、増える傾向すら見え始めていたのです。
そこで、それまでは多少懐疑的でもあり、また実施にあたって不安もあった「チートデイ」を思い切って導入してみました。
最終的にその後体重は再び減少に転じ、去る2021年6月18日、ついに目標の65kgに到達してダイエットはフィナーレを迎えました。
これを持ってチートデイが効果的であったかどうかというのは100%確実なのかはわかりません。ただし、チートデイを行うことが、少なくともダイエットのデメリットには今回に限ってはならなかったということは言えるのでしょう。
明日6月20日を持って一旦は減量用の食事制限は終了します。今後しばらくは、過去4回行ったような形でのチートデイはしばらく行わないと思いますので、ここで一旦、このダイエット終盤を乗り切るキーとなったチートデイをデータで振り返ろうと思います。
数字で見るチートデイ
まずは、どれくらい食事量に変化をつけたかを見てみます。
摂取kcal | P | F | C | 直後体重 | 体脂肪率 | |
---|---|---|---|---|---|---|
2月平均 | 1552 | 103 | 46 | 186 | 69.2 | 15.6 |
3/1~3/19 | 1316 | 104 | 39 | 145 | 71.3 | 15.1 |
3/20チートデイ | 4222 | 143 | 191 | 482 | 72.4 | 16.0 |
3/21~4/14 | 1401 | 103 | 44 | 159 | 69.1 | 14.9 |
4/15チートデイ | 4440 | 121 | 174 | 585 | 70.8 | 15.2 |
4/16~5/7 | 1312 | 101 | 38 | 149 | 66.1 | 13.3 |
5/8チートデイ | 4235 | 110 | 181 | 538 | 67.8 | 13.8 |
5/9~6/4 | 1236 | 98 | 40 | 124 | 66.5 | 13.3 |
6/5チートデイ | 4695 | 141 | 204 | 570 | 68.1 | 14.7 |
6/6~6/19 | 1103 | 95 | 35 | 104 | 64.6 | 13.6 |
通常時の食事は1日1500kcal上限です。
これはスマホアプリ「あすけん」でしっかりとカロリーを計算しています。
チートデイの食事は4500kcalを目標にしています。これは食事制限時の3倍のカロリーというのを基準にしています。
チートデイ以外の期間はキッチリと摂取カロリーの上限を厳守しています。
また、1回目~4回目と回数を重ねるごとに、通常時の平均摂取カロリーが100kcal程度ずつ減ってきています。
実はこれは厳密に、計画的に行ったというわけではありません。
もちろん、せっかく行ったチートデイをより効果的にするために、日常の摂取カロリーは減らせるものは今まで以上に削っていこうという意識はありました。
その意識に加えて、チートデイでお腹いっぱい食べることにより、代謝能力とともに食への欲求不満もリセットされたということもあります。つまり、制限が今まで以上に精神的に楽になっていました。
ですからチートデイが代謝能力のリセットとともに、精神的なリフレッシュを兼ねているというのも確かなことだと感じます。
難しいPFCコントロール
結果としては申し分のない形になった計4回のチートデイですが、実行するうえでどうしてもうまくいかなかった点があります。
それは脂質のコントロールです。
これはチートデイ以外の通常の食事のときもその傾向が強いのですが、市販の半製品(レトルトや冷凍食品など)やお惣菜などの利用が多い私の食事は、どうしても脂質が多めになってしまう傾向があります。
特にチートデイのときは脂質をあまり増やさずに糖質を中心に摂取したいところですが、なかなか思うようには出来ません。上記の理由の他、単純に自分の趣味嗜好が原因である部分もありますが、4500kcalというかなりの量のカロリーを摂取しなければならないということもあり、糖質よりも少ない分量でカロリーを摂取できる脂質に頼りがちになってしまいました。
結果、PFCバランスとしては糖質が普段の3倍程度なのに対し、脂質は4~5倍になってしまっています。
ただ、チートデイは糖質中心が良いというセオリーはあるにせよ、今回に関しては比較するための検証結果がないので、実際に脂質を抑えて糖質中心にした場合の効果の変化についてはこれ以上言及いたしません。次の機会があればその時に検証してみます。
たんぱく質については、これ以上摂取しても身体には蓄積できず、無駄になるだけなので特に意識的にコントロールはしませんでした。
体重・体脂肪率変化の検証
グラフを2つ見てもらいましょう。
まず1つ目は1日単位で数字をピックアップしたものです。
これは「あすけん」で記録した数字を表計算ソフトに入力し直して出力しています。
赤い線が体重、青い線が体脂肪率、緑の縦線はチートデイを実行した日です。
当然ながらチートデイ直後は一時的に体重がぐっと増えます。その後、ギザギザしながら徐々に減少しているのですが、全体像を把握するには少しわかりにくいかと思います。
そこでもう一つ、今度は体重管理アプリ「RecStyle」による週間平均値を結んだグラフです。
同じように赤い線が体重、青い線が体脂肪率、緑の縦線はチートデイです。
こちらで見ると3月20日に行った初回のチートデイ以後、それまでの停滞・微増傾向から、明らかに減少傾向に転じているのが見て取れます。
体脂肪率についてはどうしても家庭用体組成計につきものの測定ノイズが大きいため、上下動が激しくなっていますが、それでも3月以降の減少傾向は間違いないようです。(最終盤に体脂肪率が停滞し始めているのは、おそらく別の理由、病気のためトレーニングを止めたからだと思われます)
ここまで視覚的に効果を確認できると、やはりチートデイは停滞期の打破には効果的であると言わざるを得ませんが、先の摂取カロリーの比較と同様、同じ時期にチートデイを行っていない場合のデータがありません。
あくまでも、今回チートデイを行った場合にこんな結果になったというだけのデータですので、極端に言えば、やらなくても同じ結果、あるいはもっと良い結果になったかもしれません。
慎重すぎるかもしれませんが、ここではっきりと言えるのは、はじめに言ったとおり、チートデイを行うことでダイエットが失敗に終わることはなかったということだけです。
あとはもう、無責任ですが、これらのデータを見た上でやるやらないは個々の判断でということです。
チートデイを導入する前に確認しておくべきこと
実は苦しいチートデイ
先に、チートデイの摂取カロリー4500kcalを、あえて「目標」という言い方をしました。
なぜなら、実際に行うのが非常に辛いからです。
「チートデイ」と聞いて、「いつも我慢を強いられている辛いダイエット生活中に、好きなものを好きなだけ食べられるとても楽しい日」というイメージを持っている方も多いと思います。
それは一部では間違ってはいないのですが、そんなに簡単な、楽しいだけのものでもありません。
想像してみて下さい。いつもの3倍の食事を食べるのです。普段きちんと食事制限を守っている人ほどこれは大変な作業になります。胃袋も普段のカロリー制限の積み重ねにより以前よりもかなり小さくなっています。
当日のレポートでも毎回触れていますが、たいていお昼をすぎる頃にはお腹がパンパンで、もう何も食べたくないくらいになっています。でもさらにそこから半分のノルマを消化しなければなりません。
チートデイの翌日は夕方まで食欲が戻らないのが恒例行事になっていました。
それでもチートデイの日は、やるとなったらしっかりと食べる準備をして下さい。朝から計画的に食べないと予定量のカロリーを摂取できません。
食べたい分だけ食べて「ああお腹いっぱい、ごちそうさま」ではチートデイではなくてただの気分転換です。いや、気分転換もよいのですが、代謝のリセットを行うのにはあまり効果的ではないでしょう。
いつ、どれくらい、何を食べるかを予めシミュレートしてチートデイに臨みましょう。
チートデイをして良い人、ダメな人
停滞期の誤解
チートデイの目的はあくまでも代謝をリセットして停滞期を打破することです。
そこを間違えている人も少なくないように思います。
まず、停滞期の捉え方そのものについてです。
ダイエット開始直後、特に糖質制限を中心にしたダイエットの場合は始めに体重が急激に落ちるボーナスタイムがあります。これは体重が重い人ほど顕著です。
水分が抜けるためです。実はその勢いほどには体脂肪は減っていません。
そのボーナスタイムが終わると一時的に体重が減らなくなったような感じがします。減り幅が少なくなるのです。
これを停滞期と勘違いする人が多いですが、これは停滞期ではありません。
そこからの減り幅が、実は本来の減量ペースです。
もちろんその減量ペースを上げる方法はありますが、それはチートデイではなく、さらに摂取カロリーを減らすか運動量を減らすかの2択、あるいは両方です。
たとえそれをしなくても、しばらくは一定のペースで体重はちゃんと減ります。摂取カロリー制限を守る限りは。
1ヶ月で10kgとか2週間でウエスト10cm減とか短期間を謳う(怪しげな)ダイエット法を頻繁に目にするため、ついついそちらに惹かれがちです。ですが、本来ダイエットとは時間がかかるものなのです。
本当の停滞期
人により誤差はあると思いますが、ダイエットを続けていると、男性なら体脂肪率が20%を下回り15%へ向かう間に、体重の減りが鈍くなってくる場合あります。(※私は男性なので女性の場合については自身がありませんが、おそらくおおよそ30%~25%が目安になると思います)
それを感じたら、ひとまず自分の生活をチェックしてみましょう。
きちんとカロリー制限は出来ているか?無意識でチェック漏れの食事をしていないか?
運動量は以前と変わらないか?これはいわゆるトレーニングだけではありません。
仕事などの日常の生活パターンでの活動量の変化です。
たとえば、今まできつい肉体労働だったのがデスクワークに変わった等、そういった場合は活動消費が極端におちます。(※私はそれで大幅に太りました)
それらをチェックするためにも、特に日々の食生活の記録はきちんととっておきましょう。
そして、カロリーコントロールも運動量も問題ないのにも関わらず、体重が減らない、あるいは増えてしまう。体脂肪率はすでに20%を切って10%台後半である。
それはおそらく停滞期です。
チートデイをやって見る価値はあります。
そこまできちんと生活の管理が出来ているのであれば、チートデイ後のリカバリーも問題ないでしょう。
してはいけない人
上で説明した、ボーナスタイムが終わっただけの人。体脂肪率がまだ20%以上ある人。
これらの人はまだ体重が減る余地があります。チートデイの必要はありません。
ここでもう一つ、それまでに減った体重の総量は関係ありません。
たとえば、体重100kg体脂肪率40%の人がダイエットをして80kg30%になったとします。
そこまでに体重20kg体脂肪率10%もの減量を達成していることになります。それはそれで素晴らしい成果です。
しかしまだチートデイは必要ありません。
何故ならまだまだ痩せられるからです。
そこまでにかなりの量の脂肪を減らしてはいるのでしょうが、冷静に見て下さい。まだ太っています。
人によってはここからダイエットを始める人もいるであろうという数字です。
そこまでのダイエットをしているのであれば、そこそこの努力もしているのでしょうが、もうちょっと我慢して下さい。
ストレスも溜まっているでしょうが、そこはチートデイではなく、1つ2つ、お好みの食材を食べてみる程度の気分転換に留めておくことをオススメします。
私がチートデイを導入した時期は、実にダイエット開始から34ヶ月後、体重ですでに50kg、体脂肪率で24%も減らした時期です。
あとわずか5kgを減らすために踏み切ったチートデイでした。
逆に言えば、チートデイを行わなくてもそこまでは体重を減らすことは可能です。
そのタイミングで抗いようのない(ように感じた)停滞期が訪れたため、チートデイの導入に踏み切ったわけですが、最後までチートデイ導入には慎重でした。
そこまでチートデイ導入に二の足を踏んだ理由、それは身体的なことではなく、メンタル面での懸念です。
実は私がチートデイ導入条件で最も重視するのは、生活習慣の定着度です。
体脂肪率などはあくまでも一つの条件に過ぎません。
それまでのダイエット生活、特に日々のカロリー制限がきちんと出来ていないならばチートデイをするべきではありません。
チートデイはそれまで堤防で遮っていた食欲を、一時的に開放する行為です。
その時点での生活習慣がきちんと定着していない場合、あるいは意思が弱い場合、堤防が決壊します。
元に戻らなくなります。リバウンドまっしぐらです。
このブログでは何度も言います。スタンスは変わりません。
「太っている人はだらしがない」
これは以前の私もそうでした。
ですから、ダイエット生活の習慣が完全に身についている段階まで待たないと、チートデイの実行が原因でダイエットが崩壊します。
挫折 → リバウンドの定番パターンです。リバウン道です。
たまに、まだどう見てもかなり太ってらっしゃる段階でチートデイと言いながら、好きなものを食べていらっしゃる方をお見かけします。その場合大抵は好きなものを好きな分量だけ、無理をしないで食べていらっしゃいます。
それはチートデイではなく、ただのダイエットを止めた人です。
間違いなく失敗します。リバウンドします。(最近もそんな方をお見かけしました)
結局は・・・
何度も言いますが、個々の判断です。
しかし、賛否両論激しいチートデイですが、この記事で検証したデータに限っては、正しいチートデイがダイエットの障害になることはないと断言できます。
「正しいチートデイ」という言い方が少し言い訳がましいような感じもしてしまいますが、全ての物事には2面性があるということでご了承願いたいものです。
ちなみに4500kcalのカロリーをとったところで体重は500~600g程度しか増えない計算です。
もちろん現実的に体重計の数字はそれ以上のものを表示しますが、それはそれだけの重さのものが体内に入っているので増えて当然です。
それが身体から抜ければ体重はもとに戻ります。普段きちんと管理している人であれば、リカバリーは簡単です。
- 普段のカロリーコントロールがしっかりと出来ている
- 体脂肪率が男性20%女性30%(出来れば男性15女性25)以下
- ダイエット生活をある程度長く続けている
- 日常の活動代謝量に変化がない
- それでも体重・体脂肪率が減らなくなってきた
それに当てはまる方、是非、チートデイをオススメします。