体重・体脂肪率の稲妻ノイズを考える

タカラトミー TANITA コラボ 「今日は何キロ?」に紛れるぺんぎんさん

「稲妻ノイズ」

これは私が勝手に名付けたものですが、ダイエット中に体重や体脂肪率を測定するとき、そのグラフがきれいな直線やなだらかな曲線を描くことはめったにありません。

減量が確実に進んでいるときでさえ、体重は小刻みに増えたり減ったりしながら徐々にその平均値を下げていきます。

2019年12月~2021年3月あすけん体重体脂肪率グラフ

このグラフは「あすけん」のグラフを継ぎ足したものですが、ご覧のようにギザギザに上下に激しく揺れながら、全体ではなだらかに下降していきます。

稲妻のようなので「稲妻ノイズ」と勝手に呼んでいます。

このギザギザを月間で平均値として丸めてしまい、視覚的にわかりやすくすると下のグラフのようになります。

(表示している期間は上のグラフとずれていますが、全体の線の様子を御覧ください)

Recstyle体重グラフ2020年06月~2021年5月

こちらもこのブログで再三ご紹介している体重管理アプリ「RecStyle」でのグラフです。

このアプリの最も有用な部分は、この平均値の可視化ができる点といっても良いでしょう。

こうして平均値を丸めてしまうことで、全体的には順調に体重・体脂肪率を減らすことができていることが確認できます。

実際に日中の体重変化を検証してみた

1日の中で、どのくらい体重が変動するのかを実験してみました。

ちなみに、以前限りなくゴールの65kgに近づいたときの記事があります。

2021年5月31日、この日の朝の時点で体重は65.25kg。その後、朝食、昼食を食べた後、ウォーキングに出かけ、およそ4時間のウォーキング中水分補給なし(注:真似しちゃダメですよ、水分補給してください)、結果、その直後の測定で朝からマイナス350gの64.9kgです。

当然、2食分の食材は物理的に体内に入っていますのでその分の質量は乗っかっているはずです。

また、350g分の脂肪を燃焼させるのに必要なエネルギーは2520kcalです(7200kcal✕0.35)。この数字は丸1日飲まず食わずで一切のカロリーを摂取しないで過ごした場合に、ようやく達成できるかもしれない減少量です。朝・昼と2食食べながらこの時点で消費できる脂肪の量ではありません。

つまり、この時点で減った体重は、全部ではないもののほぼ水分だと言うことができます。

実際この後、十分な水分補給と軽めの夕食を摂った結果、翌朝の体重は予想よりも多めの66kgまで増えてしまっています。

トイレの後の体重変化

こういったことを踏まえて、自分の体で確認してみました。

排尿後、排便後でどのくらい体重が変動するのかを比べてみました。

なんか自分の「量」を見られるようでちょっとこっ恥ずかしいですが。

毎朝、年齢と病気のせいでしょうか、膀胱はパンパンです。いつもは排尿後に体重測定をするのですが、その日は排尿前にも体重計に乗ってみました。

続けて、排便時にも同じことをしてみました。

排尿68.90kg68.55kg0.35kg
排便68.50kg68.05kg0.45kg

これだけの差が生じます。

これが、直前のことであれば済ませてから体重測定をすればよいだけの話ですが、普段の生活の中でそのタイミングを自由自在にコントロールすることもなかなか難しいでしょう。

そうなると、体重測定のタイミングによっては必ずノイズが発生してしまいます。

できるだけノイズを出さないように、毎日の測定タイミングを同じ時間で揃える(私の場合は起床直後)わけですが、それでもノイズは出てしまいます。

ノイズの正体のほとんどは水分

このように、日々の測定では本来の身体を構成する要素以外の部分も体重に反映されてしまうので、どうしても稲妻ノイズが出てしまいます。

最も影響を与えるであろう要素は、「水分」です。

体内の水分というのは体の機能によって、おおよそ一定の量を保つようにはできています。

しかし、猛暑の日に脱水症状などが起こることでもわかるように、外的環境その他の影響によって、そのタイミングは必ずしも一定ではありません。

汗をかくタイミング、排尿の頻度、食事の量・時間、活動量、それらの要素によって、当然身体の水分量を整える時間に誤差がでます。

十分に体内に水分が満たされている状態のときの方が、当然脱水状態のときよりも体重は多くなります。

また、炭水化物(糖質)は体内で3~4倍の水分と結合するという話があります。ですから、糖質を多めに摂取すると、体内に溜め込んでいる水分量が増えるため、見かけ上の体重は増えます。

よく、糖質制限などでダイエットを始めた人が開始早々急激に数キロの体重を落とすことがありますが、これは体内の水分が急激に失われるためです。

その後、本来の「体脂肪を落とす」ダイエットが始まると、当然それまでのようには体重は落ちなくなりますが、それは停滞期ではありません。ボーナスステージ、ビギナーズラックが終わっただけです。

そこで勘違いをしてチートデイとかやろうものならリバウン道まっしぐらです。

あ、「リバウン道」も私の造語です。

ダイエット本来の目的

ダイエットの目的は「体脂肪を減らし」て体重を減らすことです。

また、状況によってはあえて筋肉を減らすことも視野に入れたダイエットもあるでしょう。

いずれにせよ、身体そのものを組み立てている部品の体積、重さを減らすことが目的であって、水分や、宿便などという曖昧なものの量を減らすことではないのです。

見かけの体重に惑わされることのないように、健康的で正しいダイエットをこころがけましょう。